[IT企業D社]

5日間の仮説検証 + 3週間で実用版アプリをリリース。
プロトタイプスプリントで新規事業を高速化し、6ヶ月でシリーズA調達に成功。

想定企業 [IT企業D社]
業界 スタートアップ(建設業向けDXプラットフォーム)
抱えていた課題
  • アイデアはあるが、プロダクト開発に時間がかかりすぎる
  • 作ってから「使われない」リスクを回避したい
  • シードラウンド調達済みだが、次のマイルストーン達成を急ぐ必要
導入サービス プロトタイプスプリント (5日間) + 実用版アプリ開発 (3週間)
主な成果
  • 5日間で仮説検証 + 3週間で実用版アプリをリリース、初期顧客10社から有償契約を獲得
  • 検証結果を元に機能をピボット、PMFに近づく
  • トラクション実績をもとに、6ヶ月後にシリーズA調達成功(5億円)
「『完璧なプロダクトを作ってからリリースしよう』という考えが、いかに危険か気づかされました。Sprintで素早く検証し、顧客の声を聞きながら改善するサイクルが、私たちの最大の武器になりました」

シード調達したが、次のマイルストーンまでの時間がない

背景

建設現場の安全管理をデジタル化するプラットフォームを開発する建設テックスタートアップA社様。創業者のCEO様は、前職で建設業界の課題を肌で感じ、「現場の安全をテクノロジーで守りたい」という強い想いで起業しました。シードラウンドで5,000万円を調達しましたが、次のシリーズAまでの時間は限られていました。

顕在化した問題

エンジニア2名を採用し、プロダクト開発を開始しましたが、「完璧なものを作りたい」という想いが強すぎて、機能の追加が止まりませんでした。開発開始から3ヶ月が経過しても、まだリリースできる状態ではありませんでした。このままでは、顧客からのフィードバックを得る前に、資金が尽きてしまいます。

代表の葛藤

「このままでは、顧客の声を聞く前に、想像だけでプロダクトを作ってしまう」代表は焦りを感じていました。理想のプロダクト像は明確でしたが、それが本当に顧客に求められているのか、確信が持てませんでした。失敗が許されない状況で、どう前に進めばいいのか...。

「完璧な100点」ではなく、
「検証できる20点」を5日間で、「使える60点」を3週間で

プロトタイプスプリント + 実用版アプリ開発の提案

我々は「プロトタイプスプリント(5日間)+ 実用版アプリ開発(3週間)」のアプローチを提案しました。まず5日間で最小限のプロトタイプを作成して仮説を検証し、その結果を基に3週間で実際に顧客が使える製品を開発。完璧なプロダクトではなく、「必要最小限の機能で動く製品」を素早く市場に投入するアプローチです。

📝 補足: 本事例では、初期仮説の検証後にMVP実装まで進みました。通常のプロトタイプスプリントは5日間で完結し、プロトタイプと顧客検証レポートを成果物として提供します。

開発プロセス

Phase 1 (5日間): プロトタイプスプリント

「現場の安全管理をデジタル化する」という大きなビジョンから、最初に検証すべき仮説を絞り込み。5日間で簡易プロトタイプを作成し、建設会社3社にヒアリング。「危険箇所報告」よりも「日報の写真共有」ニーズが高いことを発見しました。

Phase 2 (3週間): 実用版アプリ開発

プロトタイプ検証の結果を基に、「日報の写真共有」を中心とした機能に焦点を絞り込み。モダンなNo-codeツール(Bubble)とFirebaseを活用し、必要最小限の機能を実装。毎日の進捗確認と、スコープのコントロールを徹底しました。完璧さよりもスピードを重視し、3週間後には実際に現場で使える製品版アプリが完成しました。

初期顧客10社での検証

リリース直後、事前にヒアリングしていた建設会社10社に協力を依頼し、実際の現場で1ヶ月間使ってもらいました。毎週フィードバックセッションを実施し、使われている機能、使われていない機能、新たに欲しい機能を明確化しました。

ピボットと改善

検証の結果、当初想定していた「危険箇所報告」よりも、「日報の写真共有」機能が圧倒的に使われていることが判明。現場からは「これがあれば日報作成の時間が半分になる」という声が多数寄せられました。この気づきをもとに機能をピボットし、PMF(プロダクト・マーケット・フィット)に近づくことができました。

具体的な成果と、もたらされた変化

5日間 + 3週間で実用版アプリリリース
6ヶ月かかると思われていた開発を、仮説検証5日間 + 実用版アプリ開発3週間で完了。圧倒的なスピードで市場投入に成功しました。
🤝
初期顧客10社獲得
MVP段階から有償契約を獲得。月額3万円×10社で、MRR 30万円を達成しました。
💰
シリーズA 5億円調達
トラクション実績とPMFへの道筋を示せたことで、6ヶ月後にシリーズA調達に成功しました。
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高速PDCAの文化定着
「作る→検証する→改善する」のサイクルが社内に定着。仮説検証型の開発が当たり前になりました。
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担当コンサルタント
DX Design シニアコンサルタント (Sprint Lead)
「代表の『顧客の課題を解決したい』という純粋な想いが、このプロジェクトを成功に導きました。完璧さを求めすぎず、素早く検証し学ぶ姿勢が、スタートアップの成功には不可欠です。」

次は、貴社の番です

新規事業のアイデアはあるが、プロダクト開発に時間がかかりすぎていませんか?
「作ってから検証する」のではなく、「検証しながら作る」アプローチで、
失敗のリスクを最小化しながら、素早く前に進みましょう。